野口体操の本を最近読み直しました。
知っていたはずなのに、やっぱりすごい。
なので生活の一部に野口体操を組み込み(やすらぎの動き、上体のぶら下げ、四股など)、一生続けていきます。
その記念として、野口体操の考えなどをまとめてみました。
ちな野口体操は野口三千三(みちぞう)さん創始で、野口整体とはまったく関係ありません。
目次
微細で柔らかな共鳴振動するからだを手に入れる
野口体操の特徴は力を入れる、筋肉を太くすることではなく、力を抜く、リラックスするからだを作ることを主眼に置いています。
柔らかさとは、次の瞬間の変化の可能性の豊かさ
「次の瞬間に働くことのできる筋肉は、今、休んでいる筋肉だけである」
「今、休んでいる筋肉が多ければ多いほど、次の瞬間の可能性が豊かになる」
ちからを100%出したいならば肩こりの状態、既に肩の筋肉が緊張していて力を出している状態にあるものを解きほぐすこと、リラックスすることが先になります。
「ゆり・ふり」でからだをあけ、生命力を通す
そのための方法論として「やすらぎの動き」や「上体のぶら下げ」などがありますが、この動作の中で野口体操は「ゆり・ふり」を大切にしています。
野口体操の動きの方法論・技術として、この「ゆり・ふり」は欠かせない。前述の「上体のぶら下げ」でも、重さに任せてゆらゆらと揺らす。
「揺り」には、ものを揺すって、選び分ける意味がある。 和語の「ゆ」は柔らかく優しい音ですね。 いい湯だな!の「ゆ」です 。その他にも、「ゆ」が語頭にある言葉は、「ゆ」という音感を味わうことで言葉の意味が深められ、具体的になっていきます。ゆらゆら・ゆらゆらというオノマトペから派生する同根・同系の言葉をあげてみましょうか。 「ゆらぎ(揺ぎ)・ゆるし( 許し)・ゆるし(緩し)・ゆるめ( 緩め)・ゆるやか( 緩やか・寛やか)」などがありますが、どれもがゆとり(余裕・融通)とか、ゆたか( 豊饒・裕)の意味が根底に流れています 。
次に、大野晋編「古語辞典」( 岩波書店)を参考にして、「ふり」という言葉を考えてみよう。「ふり(震り・振り)とは、物が生命力を発揮して、生き生きと 小刻みに動く意。また、万物は生命を持ち、その発現として動くという信仰によって、物をゆり動かして活力を呼び起こす意。その信仰の衰えとともに、単に物理的な振動を与える意」とある。
力が入っている、緊張しているということは、ボディを殴られることを想像してもらえばわかりますが感じる力を無くすということで、仕事や人間関係のストレスなどもからだを緊張させ、感じる力を低下させます。(でないとやっていけない。)
それを揺さぶって、ふりほどいて、一枚の大きな岩のように緊張した身体から、無数に分かれた微細な液体のような、柔らかく中身にゆとり 、隙間があって、押せば波紋が広がるように情報を伝えられる、感じれる身体を作っていきたい。
創造力をもたらすやわらかさ
本を読むとき、会話をするときなど、体が緊張していては情報を受けつけることはできない。上司にガミガミ言われて体を縮こませるのは、緊張の防御姿勢。
情報を受けつけるには、からだを「ゆり・ふり」ながら柔らかくしていなくてはならず、そうすると自身のからだの中で情報振動が共鳴し、ゆりが大きくなり、自身のフィルターを通して何かが出ていくはずだ。
友達の笑いに共鳴したり、涙を流したり、新発見がないなら、それは体が硬いのだ。
感受性、創造性は、からだの柔らかさに比例しそうだ。
体液主体説
「からだの基本構造は、皮膚という薄くて柔らかく伸び縮み自由な大小無数の穴が開いている自他の界面としての複雑極まりないたった一つの生きている袋、その中に液体がいっぱい、その体液に骨や筋肉・内臓・脳などが浸され、浮かび漂っている」
これが実感としてわかってくれば、それはいいからだ、艶めかしいからだの持ち主だと思う。
私は最近わかるのだ、からだが液体だと。
からだをわかること
2017年ぐらいから整体をはじめたが、それは背中の真ん中に大きな岩のような塊があり、痛かったから。
しかし現在その塊は存在しなく、背中は液体となって情報・つながりの通り道となっている。(7年かかったのか、長い道のり)
「上体のぶら下げ」のときに腹式呼吸で息を吸うと股やお尻がパンパンに膨らみ、へその背中側の筋肉(野口体操では、そこを”そへ”と呼ぶ)が伸ばされる。息を吐くとそへの筋肉はゆるみ、上体は重さにしたがって更に下にぶら下がっていく。
そへが刺激されて筋肉がゆるむと、右に歪んで骨盤にのった背骨(腰椎5番)はより真ん中にのるようになってきた。こんなのがわかってきた。
1つの大きな塊として存在する体より、無数の分かれた液体、変化自在な液体、共鳴・振動する液体としてなるからだの方が多様な豊かさを手に入れられるのは確かだと思われる。
YouTubeに野口体操の動画は少しあって、本は「原初生命体としての人間」と羽鳥操さんの「感覚こそ力」がお薦めかな。
毎日の実行がすべてである、自戒。
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